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コラムVol.33 「開かれた質問」と「閉じた質問」で会話上手に

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コラムVol.33 「開かれた質問」と「閉じた質問」で会話上手に

はじめに

相手との関係をうまく維持したり、お互いのことを理解したりするためには良いコミュニケーションを取ることが必要となります。そのためには会話を上手く続けていくことが大切ですが、会話が上手く続かなくて疲れる、年齢差があって何を話してよいのか分からないなど、「会話って難しいな・・」と思う経験をしている方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、会話を上手く続けるスキルの1つとして質問の仕方をご紹介したいと思います。


目次

1.質問の仕方は大きく2つに分けられる

 質問の仕方には「閉じた質問(Close question)」と「開かれた質問(Open question)」の2つに大きく分けられます。それぞれどのような質問の仕方なのか見ていきましょう。

①閉じた質問(Close question)

この質問の仕方は「はい」か「いいえ」で答えられる質問になります。閉じた質問を使うと、短い時間で多くの質問も可能となり、答える側も負担はありません。しかし、下記の例のように会話が発展していく可能性が乏しくなります。

また、相手からの回答が「はい」か「いいえ」で終わってしまうことが多いため、沈黙が流れたり、早く何か話をしなくてはいけないとの焦りから、質問攻めになってしまう可能性もあります。

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②開かれた質問(Open question)

この質問の仕方は「はい」か「いいえ」で答えられる質問になります。閉じた質問を使うと、短い時間で多くの質問も可能となり、答える側も負担はありません。しかし、下記の例のように会話が発展していく可能性が乏しくなります。

また、相手からの回答が「はい」か「いいえ」で終わってしまうことが多いため、沈黙が流れたり、早く何か話をしなくてはいけないとの焦りから、質問攻めになってしまう可能性もあります。


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 さて、「閉じた質問」と「開かれた質問」の会話の例を見ていかがだったでしょうか。会話は「営業に行ったこと」「担当者は元気だったか」という同じような内容ですが、質問の仕方が変わっただけで会話が続きやすくなっていることにお気づきでしょうか。

 「開かれた質問」を使うことで、相手も話をしやすくなり会話が続きやすくなります。「開かれた質問」と「閉じた質問」の両方を上手く会話の中に取り入れていくと良いでしょう。

2.開かれた質問(Open question)の上手い作り方

 相手に開かれた質問をしたくても、なかなか上手く質問が出来ないと思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな時には、英語の疑問文でおなじみの「5W1H」を使うと上手く質問を作ることができます。みなさんも、開かれた質問で困ったときには、ぜひ、この「5W1H」を思いだしてみましょう。


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 また、「話しかけたいけど、きっかけがつかめない」「どんな話題がいいか分からない」など、きっかけとなる話題に困ることがあるかもしれません。そのような時には、誰もが知っている話題のニュース、お天気、時事問題などが良いでしょう。また、逆に相手から話題が出た時に、すぐに反応できると会話も進んでいきます。毎日見ているテレビ番組、ネット記事や新聞などから、話題になっている内容をチェックしておくことも会話に役立ちます。

今回は、会話を続けるためのスキルとして質問の仕方についてご紹介をしました。「閉じた質問」も「開かれた質問」もどちらもメリットとデメリットがあります。会話を上手く続けていくためには、「閉じた質問」と「開かれた質問」をバランス良く入れていくことが大切です。

「開かれた質問」から相手が色々と話をしてくれた時には、前回のコラムでご紹介した「傾聴のためのスキル」もぜひ使ってみて下さい。


臨床心理士・公認心理士 高橋美千代

 

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